TEL. 052-611-7551
サイトマップ 〒457-0823 愛知県名古屋市南区要町4-30 info@mitokugomu.co.jp
弾性変形はバネを引き伸ばした場合と同じで、変形した量(ひずみ)は外力に比例します。
外力を外力のかかる断面積で割った力(応力=F)で示し、変形した量を元の長さで
割った単位量当たりの
変化量(ひずみ=)で示すと、
![]() |
比例定数(E)は、物質の引っ張りや圧縮に対する強度を 示す物質定数です。 伸長変形の場合、引張り弾性率またはヤング率といわれます。 単位は圧力と同じくパスカル(Pa,1Pa=1N/ ![]() |
代表的な材料の常温におけるヤング率(E)を以下に載せました。
ゴムのヤング率は加硫の程度に応じて0.1MPaから10MPaまで変化します。
材料 | E/MPa | 材料 | E/MPa |
ダイヤモンド | 1.2![]() |
木材 | 3![]() |
ポリベンゾオキサゾール | 4.8![]() |
クモの巣(牽引糸) | 1![]() |
炭素繊維 | 3.9![]() |
ナイロン | 3![]() |
スチール繊維 | 2.0![]() |
ポリ塩化ビニル | 2.5![]() |
チタン | 1.2![]() |
ポリプロピレン | 1.6![]() |
ガラス繊維 | 7.0![]() |
ポリエチレン(高密度) | 1.0![]() |
骨 | 2![]() |
ゴム | ≒7 |
参考資料:「改訂 高分子化学入門」著者 蒲池幹治
●ゴムのヤング率が大幅に変化する実例
前述式
となり、以下の事が分かります。
ヤング率 大:伸び 小 ⇒伸びにくい材料
ヤング率 小:伸び 大 ⇒伸びやすい材料
日常品を例に見ると、同じ“ゴム製品”でも伸び易さ
に違いがあることが分かると思います。
また、同製品でもメーカーによって、硬さ・伸びやすさ が異なります。
メーカーを変えると使用感が変わった、という経験があるかと思います。
これは、同製品でもメーカー毎に異なる材料物性を有していることを示しています。
上述の様なことは、工業用ゴムにも当てはまり、 NBR / EPDM / CR / Q / FKM等
それぞれの材料が固有特性を有しており、それは各メーカーにより異なります。
その固有特性の中に、“ヤング率”(伸びやすさ)も含まれています。
以上より、ゴムのヤング率は材料によって大幅に変化し、同材料でも
メーカー毎に異なる可能性があることが分かります。
そのため、設計の際や、検証演算の際は、使用材固有のヤング率を
確認の上、検証ください。
●ゴムのヤング率が大幅に変化する理由
※下図にゴムの架橋についての簡易図を示します。
ゴムは架橋によって伸縮性を有します。
生ゴム(紐状)から架橋ゴム(網状)になることで、
伸縮するゴム製品となります。
黄丸部が架橋部で、この架橋部の強度や、密度(量)に
よって網状態の構造が変化します。セーターなど、編み方で
着る際の着心地(伸び)が異なった経験もあるかと思います。
架橋部は材料や配合によって、強度・密度が変化します。
よって、以下のような理由でゴムのヤング率が大幅に
変化することが分かります。
【架橋部の変化⇒構造変化⇒伸縮度合変化⇒伸び易さ変化⇒ヤング率変化(特性変化)】