ポリマー ゴム 高分子 名古屋 愛知県

アワニー原則
◆序言(Preamble)
現在の都市および郊外の開発パターンは、人びとの生活の質に対して重大な
障害をもたらしている。
従来の開発パターンは、以下のような現象をもたらしている。
・自動車への過度の依存によってもたらされる交通混雑と大気汚染
・誰もが利用出きるような貴重なオープンスペースの喪失
・延びきった道路網に対する多額の補修費の投入
・経済資源の不平等な配分
・コミュニティに対する一体感の喪失
過去および現在の最良の事例に依拠することによって、そのコミュニティの
なかで生活し、働く人々のニーズに、より的確に対応するようなコミュニティを
つくりだすことが可能である。
そのようなコミュニティをつくりだすためには、計画書策定の段階で以下
のような原則を遵守することが必要である。
◆コミュニティの原則(Community Principles)
@すべてのコミュニティは、住宅、商店、勤務先、学校、公園、公共施設など、
住民の生活に不可欠なさまざまな施設・活動拠点をあわせ持つような、
多機能で、統一感のあるものとして設計されなければならない。
Aできるだけ多くの施設が、相互に気軽に歩いて行ける範囲内に位置するように
設計されなければならない。
Bできるだけ多くの施設や活動拠点が、公共交通機関の駅・停留所に簡単に
歩いて行ける距離内に整備されるべきである。
Cさまざまな経済レベルの人びとや、さまざまな年齢の人びとが、同じ一つの
コミュニティ内に住むことができるように、コミュニティ内ではさまざまなタイプの
住宅が供給されるべきである。
Dコミュニティ内に住んでいる人びとが喜んで働けるような仕事の場が、
コミュニティ内で産み出されるべきである。
E新たにつくりだされるコミュニティの場所や性格は、そのコミュニティを包含する、
より大きな交通ネットワークと調和のとれたものでなければならない。
Fコミュニティは、商業活動、市民サービス、文化活動、レクリエーション
活動などが集中的になされる中心地を保持しなければならない。
Gコミュニティは、広場、緑地帯、公園など用途の特定化された、誰もが利用できる、
かなりの面積のオープンスペースを保持しなければならない。場所とデザインに
工夫を凝らすことによって、オープンスペースの利用は促進される。
Hパブリックなスペースは、日夜いつでも人びとが興味を持って
行きたがるような場所となるように設計されるべきである。
Iそれぞれのコミュニティや、いくつかのコミュニティがまとまったより大きな地域は
農業のグリーンベルト、野生生物の生息境界などによって明確な境界を保持
しなければならない。またこの境界は、開発行為の対象とならないように
しなければならない。
J通り、歩行者用通路、自転車用道路などのコミュニティ内のさまざまな道路は、
全体として、相互に緊密なネットワークを保持し、かつ、興味をそそられるような
ルートを提供するような道路システムを形成するものでなければならない。
それらの道は、建物、木々、街灯など周囲の環境に工夫を凝らし、また、
自動車利用を減退させるような小さく細いものであることによって、徒歩や、
自転車の利用が促進されるようなものでなければならない。
Kコミュニティの建設前から敷地内に存在していた、天然の地形、排水、植生などは、
コミュニティ内の公園やグリーンベルトのなかをはじめとして、可能なかぎり元の自然
のままの形でコミュニティ内に保存されるべきである。
Lすべてのコミュニティは、資源を節約し、廃棄物が最小になるように設計されるべきである。
M自然の排水の利用、干ばつに強い地勢の造形、水のリサイクリングの実施などをとおして、
すべてのコミュニティは水の効果的な利用を追及しなければならない。
Nエネルギー節約型のコミュニティをつくりだすために、通りの方向性、建物の配置、
日陰の活用などに充分な工夫を凝らすべきである。
◆コミュニティを包含するリージョン(地域)の原則(Regional Principles)
@地域の土地利用計画は、従来は、自動車専用の高速道路との整合性が
第一に考えられてきたが、これからは、公共交通路線を中心とする大規模な
交通輸送ネットワークとの整合性がまず第一に考えられなければならない。
A地域は、自然条件によって決定されるグリーンベルトや野生生物の生息境界などの
形で、他の地域との境界線を保持し、かつ、この境界線を常に維持していかなければならない。
B市庁舎やスタジアム、博物館などのような、地域の中心的な施設は、
都市の中心部に位置していなければならない。
Cその地域の歴史、文化、気候に対応し、その地域の独自性が表現され、またそれが
強化されるような建設の方法および資材を採用するべきである。
◆実現のための戦略(Implementation Strategy)
@全体計画は、前述の諸原則に従い、状況の変化に対応して常に柔軟に改訂される
ものであるべきである。
A特定の開発業者が主導権を握ったり、地域のそれぞれの部分部分が地域全体との
整合性もないままに乱開発されることを防ぐために、地元の地方公共団体は、
開発の全体計画が策定される際の適正な計画策定プロセスの保持に責任を
負うべきである。全体計画では、新規の開発、人口の流入、土地再開発などが
許容される場所が明確に示されなければならない。
B開発事業が実施される前に、上記諸原則に基づいた詳細な計画が
策定されていなければならない。詳細な計画を策定することによって、事業が
順調に進捗していくことが可能となる。
C計画の策定プロセスには誰でも参加できるようにするとともに、計画策定への
参加者に対しては、プロジェクトに対するさまざまな提案が視覚的に理解できるような
資料が提供されるべきである。
出典:「サステイナブル・コミュニティ」滑w芸出版社 著者:川村健一、小門裕幸